2025年8月16日は五山の送り火です。
2025年8月16日は、京都の夏を締めくくる伝統行事「五山の送り火」が行われます。
お盆の間に家々へ帰ってきた先祖の精霊を、再びあの世へと送り届けるための行事で、京都の人々にとっては欠かすことのできない大切な風習です。
この行事は室町時代以降に始まったとされ、長い歴史の中で受け継がれてきました。京都を取り囲む東山、北山、西山の五つの山々に、「大文字」、「左大文字」、「船形」、「鳥居形」、「妙法」といった文字や図形をかたどった炎が一斉に灯され、夏の夜空に浮かび上がります。その光景は荘厳でありながらも幻想的で、静かに手を合わせる人々の姿と相まって、祈りの時間が流れていきます。
また、昔から「送り火の灯りを杯に映して飲むと、中風(脳卒中や半身不随の症状)にかからない」と言い伝えられており、無病息災を願う習わしとしても親しまれてきました。今では国内外から多くの観光客が訪れますが、地元の人々にとっては先祖への感謝と敬意を込める厳かな行事であり、京都の夏の風物詩として広く知られています。
執筆者:お天気.com気象予報士