2014年8月の天気・天候
2014年(平成26年)8月の天候の特徴は以下のとおりです。
東日本、西日本の日照時間はかなり少なかった
太平洋高気圧は、本州付近への張り出しが弱く、日本付近は湿った気流の影響を受けやすかった。このため、東日本、西日本の日照時間はかなり少なく、西日本太平洋側で平年比54%となり、1946年の統計開始以来8月としては最も少なかった。
「平成26年8月豪雨」が発生
台風第12号及び台風第11号が相次いで日本に接近、または上陸するとともに、前線が日本付近に停滞し、日本付近への暖かく非常に湿った空気の流れ込みが継続したため、各地で大雨となった(平成26年8月豪雨)。このため、西日本太平洋側の月降水量は平年比301%となり、1946年の統計開始以来8月としては最も多くなった。
西日本の低温
西日本では、曇りや雨の日が多かったため、8月としては2009年以来5年ぶりに低温となった。
1 概況
太平洋高気圧は、日本の南東海上では強かったが、本州付近への張り出しは弱く、日本付近は湿った気流の影響を受けやすかった。このため、東日本、西日本の日照時間はかなり少なく、西日本太平洋側で平年比54%となり、1946年の統計開始以来8月としては最も少なかった。また、降水量は北日本から西日本にかけて多く、西日本太平洋側の降水量は平年比301%となり、1946年の統計開始以来8月としては最も多い記録を更新した。
上旬は、台風第12号、第11号の周辺の風と太平洋高気圧縁辺の風の影響で、日本付近には南からの暖かく湿った空気の流れ込みが続いた。台風第12号の影響で、四国地方の太平洋側では8月1日から5日までの総降水量が多い所で1000ミリを超えた。また、10日に四国地方に上陸した台風第11号の影響で、沖縄・奄美と西日本で暴風雨となり、四国地方から東海地方にかけて、8月7日から11日までの総降水量が500ミリから1000ミリとなるなど全国各地で大雨となった。中旬から下旬中頃にかけては、前線が日本海沿岸付近に停滞するとともに、暖かく湿った空気が流れ込み、北日本から西日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定となったため、大雨となった所があった。特に16日から17日にかけては、近畿地方、北陸地方、東海地方の所々で大雨が発生し、さらに、19日夜から20日明け方にかけては、広島県広島市で集中豪雨となり大規模な土砂災害が発生した。これら7月30日からの大雨について、気象庁は「平成26年8月豪雨」と命名した。
気温は、西日本では太平洋高気圧に覆われる日が少なく、曇りや雨の日が多かったため、8月としては2009年以来5年ぶりに低温となった。一方、暖かい空気に覆われることが多かった沖縄・奄美では高温となった。北日本では、8月上旬に高温となったが、その後は寒気の影響を受ける時期があり平年並となった。また、東日本では、平年並となったが、寒暖の変動が大きく、上旬は猛暑日となる所が多かったが、下旬の気温はかなり低くなった。
2 気温、降水量、日照時間等の気候統計値
(1)平均気温
西日本で低かった。一方、沖縄・奄美では高く、北・東日本で平年並だった。
(2)降水量
北日本、東日本日本海側、西日本でかなり多く、東日本太平洋側で多かった。和歌山、高知、徳島など17地点では、8月の月降水量の多い方からの1位を更新した。一方、沖縄・奄美では少なかった。
(3)日照時間
東・西日本ではかなり少なく、北日本日本海側、沖縄・奄美で少なかった。境(鳥取県)、雲仙岳(長崎県)、阿蘇山(熊本県)など29地点では、8月の月間日照時間の少ない方からの1位を更新した。北日本太平洋側では平年並だった。
出典:気象庁