夏(2014年6月~2014年8月)の天気・天候
2014年(平成26年)夏(6~8月)の天候の特徴は以下のとおりです。
夏の平均気温は西日本で低かった一方、北日本、東日本、沖縄・奄美で高かった
夏の平均気温は、西日本では、2003年以来11年ぶりに低かった。一方、北日本、東日本では5年連続で高く、沖縄・奄美では2年連続で高かった。
北日本、西日本太平洋側の降水量はかなり多かった
夏の降水量は、北日本、西日本太平洋側ではかなり多く、東・西日本日本海側で多かった。
西日本の夏の日照時間はかなり少なかった
気圧の谷の影響と太平洋高気圧の西日本付近への張り出しが弱かった影響で、西日本の夏の日照時間はかなり少なかった。
1 概況
夏の降水量は、梅雨前線の影響は弱かったが、主に7月30日からの「平成26年8月豪雨」の影響で、北日本、西日本太平洋側ではかなり多く、東・西日本日本海側で多かった。気圧の谷の影響と太平洋高気圧の西日本付近への張り出しが弱かった影響で、西日本の夏の日照時間はかなり少なく、西日本の夏の平均気温は、2003年以来11年ぶりに低くなった。一方、日本の東海上の高気圧が強かった影響で、高気圧周辺の南からの暖かい空気が流れ込んだ北・東日本の気温は高く、暖かい空気に覆われることが多かった沖縄・奄美の気温も高かった。
梅雨前線は、6月は沖縄・奄美や日本の南海上に停滞したが、7月上旬に本州付近に北上した後、7月下旬に北日本まで北上した。このため、梅雨前線の影響は、沖縄・奄美では受けやすかったが、北日本から西日本にかけては小さかった。6月前半は、北日本から西日本にかけて気圧の谷の影響で、西日本を中心に日照時間が少なく、北日本と東日本太平洋側では、大雨となった所があった。また、台風第8号が7月8日に沖縄本島と宮古島の間を通過し、10日に鹿児島県に上陸して本州南岸を東進した。この影響で、沖縄本島地方では記録的な大雨となったほか、北日本から西日本にかけても局地的に大雨となり、各地で土砂災害や浸水害等が発生した。7月中旬は東・西日本太平洋側や沖縄・奄美では太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多くなったが、湿った気流や上空の寒気の影響で大気の状態が不安定となって、北日本から西日本の所々で大雨となった。7月下旬は、東・西日本では高気圧に覆われて晴れる日が多く猛暑日となった所が多かったが、23日頃に台風第10号の影響により八重山諸島で大雨となり、27日頃には低気圧の影響で北海道地方を中心に大雨となった。
7月30日から8月下旬にかけては、台風第12 号及び台風第11 号が相次いで接近するとともに、前線が日本付近に停滞し、日本付近への暖かく非常に湿った空気の流れ込みが継続した。このため、各地で大雨となった(平成26年8月豪雨)。特に、四国地方の太平洋側では、台風第12号の影響で、8 月1 日から5 日までの総降水量が多い所で1000 ミリを超える大雨となった。また、10日に四国地方に上陸した台風第11 号の影響で、沖縄・奄美と西日本で暴風雨となり、四国地方や東海地方を中心に日本の広い範囲で大雨となった。その後も前線の影響で16日から17日にかけては、近畿地方、北陸地方、東海地方で局地的な大雨が発生し、さらに、19日夜から20日明け方にかけては、広島県広島市で集中豪雨となり、大規模な土砂災害が発生した。
夏の台風の発生数は8個(平年11.1個)、日本に接近した台風は6個(平年6.2個)、日本に上陸した台風は2個(平年1.6個)だった(速報値)。
2 気温、降水量、日照時間等の気候統計値
(1)平均気温
北・東日本、沖縄・奄美で高かった。与那国島、石垣島(以上、沖縄県)では、夏の平均気温の高い方からの1位を更新した。一方、西日本では低かった。
(2)降水量
北日本、西日本太平洋側ではかなり多く、東・西日本日本海側で多かった。雄武(北海道)、徳島では、夏の降水量の多い方からの1位を更新した。東日本太平洋側と沖縄・奄美では平年並だった。
(3)日照時間
西日本ではかなり少なく、東日本日本海側と沖縄・奄美で少なかった。佐世保、雲仙岳(以上、長崎県)、阿蘇山(熊本県)など4地点では、夏の日照時間の少ない方からの1位を更新した。一方、北日本日本海側で多く、北・東日本太平洋側では平年並だった。
出典:気象庁