夏(2015年6月~2015年8月)の天気・天候
2015年(平成27年)夏(6~8月)の天候の特徴は以下のとおりです。
北日本と沖縄・奄美で暑夏、西日本は冷夏
夏の平均気温は、6月に太平洋高気圧が強まり顕著な高温となった沖縄・奄美でかなり高く、7月中旬から8月上旬にかけて太平洋高気圧の張り出しが強まった北日本で高かった。一方、前線や台風、南からの湿った気流の影響を受けやすかった西日本では低かった。気温の高い時期と低い時期があった東日本では平年並だった。
降水量は、西日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり多く、東日本日本海側でかなり少なかった
前線や台風、南からの湿った気流の影響を受けやすかった西日本太平洋側と沖縄・奄美では降水量がかなり多かった。一方、東日本日本海側では梅雨前線の影響を受けにくく、降水量がかなり少なかった。
日照時間は、西日本太平洋側でかなり少なかった
前線や台風、南からの湿った気流の影響を受けやすかった西日本太平洋側では、日照時間がかなり少なかった。
1 概況
6月は梅雨前線が西日本南岸に停滞することが多く、活動が活発だった。特に、前線が停滞しやすかった九州南部では月降水量が平年比227%となり、6月としては最も降水量が多くなった(統計開始1946年)。7月上旬は梅雨前線が本州南岸に停滞し、東・西日本太平洋側では曇りや雨の日が多く、西日本を中心に気温がかなり低かった。7月中旬から下旬にかけては梅雨前線が北上し、日本海から北日本にかけて停滞することが多く、北・東日本日本海側で下旬の降水量が多くなった。沖縄・奄美や東・西日本太平洋側では、梅雨前線と台風第9号、11号、12号と相次ぐ台風の接近・上陸の影響で、7月の降水量がかなり多かった。
太平洋高気圧は、6月は沖縄付近への張り出しが強く、沖縄・奄美の月平均気温は平年差+1.8℃と、6月としては最も高温(統計開始1946年)となった。7月上旬以降、日本の南東海上で次第に太平洋高気圧の勢力が強まり、7月中旬から8月上旬にかけて本州付近に張り出した。北・東日本では7月中旬以降、西日本でも7月下旬以降は晴れて気温の高い日が多く、各地で梅雨明けして8月上旬を中心に日最高気温が35℃以上の猛暑日となった所が多かった。
8月中旬になると太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱まり、オホーツク海からカムチャツカの東にかけての高気圧と日本の南海上の太平洋高気圧との間で本州付近が気圧の谷となり、北日本から西日本にかけて低気圧や前線の影響を受けやすくなった。また、8月下旬は、非常に強い台風第15号が接近・上陸し、沖縄・奄美や西日本で暴風雨となった。一方、北・東日本ではオホーツク海から高気圧が張り出し、北東から冷たく湿った空気が流れ込んだだめ、気温が低く、太平洋側を中心に曇りや雨の日が多かった。
夏の平均気温は、6月が顕著な高温だった沖縄・奄美でかなり高く、7月中旬から8月上旬にかけて太平洋高気圧の張り出しが強まった北日本で高かった。気温の高い時期と低い時期があった東日本は平年並だった。夏の日照時間は、前線や台風、湿った気流の影響を受けやすかった西日本から沖縄・奄美にかけて少なく、西日本太平洋側ではかなり少なかった。また、西日本太平洋側と沖縄・奄美では夏の降水量もかなり多く、西日本では2年連続の冷夏となった。一方、東日本日本海側や東北地方では梅雨前線の影響を受けにくく、夏の降水量は、東日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。
2 気温、降水量、日照時間等の気候統計値
(1)平均気温
沖縄・奄美でかなり高く、北日本で高かった。西表島(沖縄県)で夏の平均気温の高い方から1位タイの値を記録した。西日本では低かった。東日本では平年並だった。
(2)降水量
西日本太平洋側、沖縄・奄美でかなり多く、東日本太平洋側では多かった。枕崎、種子島(以上、鹿児島県)では夏の降水量の多い方から1位の値を更新した。東日本日本海側ではかなり少なく、北日本太平洋側では少なかった。北・西日本日本海側では平年並だった。
(3)日照時間
西日本太平洋側でかなり少なく、西日本日本海側と沖縄・奄美では少なかった。北・東日本では平年並だった。
出典:気象庁