ラニーニャ現象とは? 発生すると日本の夏はどうなる?


ラニーニャ現象とは、南米ペルー沖の赤道付近の海面水温が平常時より低い状態が続く現象のことです。一方、エルニーニョ現象は、南米ペルー沖の赤道付近の海面水温が平常時より高い状態が続く現象のこと。
ラニーニャもエルニーニョも、遠く離れた離れたペルー沖の海水温がいつもの年よりも大きく高低する現象ですが、遠くの海から伝播して、世界規模で気圧配置に大きな偏りが出やすくなることで様々な異常気象を頻発させる場合があります。
〔参考情報:気象庁

日本では、ラニーニャが発生すると、夏の暑さを強め、冬は寒さを強める傾向があり、両極端な天候をもたらすことが多いです。

また、かつては、エルニーニョが発生すると、夏は冷夏になることもありましたが、近年は気候変動の影響もあるためか、エルニーニョ現象が発生しても冷夏にはほとんどならず、2023年のような猛暑となるケースが増えています。エルニーニョが発生すると、日本の冬は暖冬となることが多く、2023~2024年冬も記録的な暖冬となりました。

ラニーニャ発生の夏は異常気象だらけ

2022年の夏は、梅雨の真っ只中の6月25日から7月3日にかけて、東京都心で過去最長となる9日連続の猛暑日(最高気温35℃以上)を記録しました。この年は梅雨期間に真夏のような強烈な日ざしと猛暑がやってきたかと思えば、7月5日前後からは梅雨前線による大雨が全国で頻発しました。

2020年の夏は、お盆過ぎの8月17日に日本歴代最高気温タイ記録の41.1℃を静岡県浜松市で記録するなど熱波に見舞われました。ラニーニャが発生している年はお盆以降に厳しい残暑になる傾向があります。

2010年の夏は、記録的な猛暑で全国で過去最悪の1745人が熱中症で命を落としました。2010年は北日本で雨量が多くなり、記録的な高温多湿で農作物の被害が大きくなりました。

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ラニーニャ発生で台風への影響は

台風の発生する位置は、ラニーニャの年には、日本に近い海域で発生しやすい傾向があります。前回のラニーニャが発生していた2022年の台風14号は、小笠原近海で発生し、わずか4日後には大型で非常に強い勢力で鹿児島県に上陸・九州を縦断。日本列島広域に暴風雨による大きな被害をもたらしました。
ラニーニャ現象発生時は、台風の発生する位置がいつもの年よりも北や西にずれる傾向があり、発生から短い期間で日本列島に接近して大きな影響を及ぼす恐れがあります。
〔参考情報:気象庁

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この記事の執筆者

森山 知洋 気象予報士/防災士/北海道防災教育アドバイザー

20年以上の気象予報士歴の中で放送局での災害報道や気象キャスターなど様々な業務を経験。防災講演の講師を務めるなど防災や健康気象のスペシャリストとしても幅広く活動中。

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