熱中症は気象災害の一つ! 死者は近年1000人超・危険な条件と予防ポイントは?
熱中症は、日本全国では近年は死者が1000人を超える年が多く、暑熱環境による気象災害の一つといっても過言ではありません。記録的な猛暑で2010年は国内で史上最も多い1745人が熱中症で命を落としました。特に2010年以降に死亡者数が急増したのは、気候変動による夏の暑さの強まりとともに、熱中症リスクが高い高齢者の人口増加が関連しているとみられています。
熱中症が起こりやすい気象条件は?
熱中症は、ただ単に気温が高いときだけでなく、湿度が高いと汗が蒸発しずらくなり、熱がこもりやすくなるため危険度が増します。また、炎天下のように日ざしが強い時や、風が弱い時となどさらに熱中症のリスクを高めます。
一番気象条件として、気を付けたいのは「急に暑くなった時」です。
人間の身体は急激な暑さに順応できない場合があり、涼しい日の後に猛暑が予想される時は、いつも以上に水分補給や休憩をこまめにとるように心がけましょう。
集団行動が熱中症リスクを高める!
熱中症は集団行動がリスクを高めるケースが多いです。例えば、スポーツ大会の開会式で、炎天下で並んでいるうちに具合が悪くなり、熱中症を発症する場合などがあります。
集団行動は、みんなについていこうと、知らず知らずに無理をしてしまったり、体調不良を隠してしまう人がいる恐れもあります。また、中には暑さ慣れしていない人や作業が運動の初心者が含まれている場合もありますので、集団行動では部活動の顧問など管理する立場の方が、無理をしている人がいないかや体調不良の人がいないかしっかり状況把握をすることが大切です。無理をしないような声かけも、熱中症予防には重要なポイントです。
この記事の執筆者
森山 知洋 気象予報士/健康気象アドバイザー/防災士/北海道防災教育アドバイザー
20年以上の気象予報士歴の中で放送局での災害報道や気象キャスターなど様々な業務を経験。防災講演の講師を務めるなど防災や健康気象のスペシャリストとしても幅広く活動中。