大気の状態が不安定とは? 上下方向の気温差が決め手

天気予報で「大気の状態が不安定」という言葉をよく耳にすると思います。たびたび登場する用語で、強い雨や落雷、突風、ひょうなどの激しい気象現象と関係があります。

上下の温度差が決め手

大気の安定度は空気の上下方向の温度差が決め手となります。空気は冷たいほど重く、暖かいほど軽いという性質があるためです。

地上付近(下の空気)が暖かく、上空(上の空気)が冷たい場合は、上空の重い空気が下降し、地上の軽い空気が上昇します。「大気の状態が不安定」とは、このような対流が生じやすい場合をいいます。上昇気流が強まるところでは、雷雨などを引き起こす積乱雲が発達することがあります。

一方で、下の空気が冷たく、上の空気が暖かい場合は対流が起こらず、大気は安定します。高度10~50キロメートルの成層圏がこの状態で、ジェット機が高度を上げた後に静かに飛行できるのは、安定した成層圏を飛んでいるからです。

ひょうはどんな時に起きる?
発達した積乱雲に備えて

積乱雲が発生しやすい時…こんなキーワード


積乱雲の水平方向の大きさは数㎞程度と小さいため、事前にいつどこで降るかを把握して、備えることは難しいです。積乱雲が発生しやすいエリアに対しては、「大気の状態が不安定」、「急な強い雨」や「雷雨」に注意、「天気急変の恐れ」がありますといったキーワードで気象キャスターは、お伝えしています。
天気予報で自分の地域が「大気の状態が非常に不安定」と伝えらえている時は、雨雲レーダーをこまめにチェックして、空模様の変化に注意しましょう。

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【キーワード解説】

この記事の執筆者

森山 知洋 気象予報士/防災士/北海道防災教育アドバイザー

20年以上の気象予報士歴の中で放送局での災害報道や気象キャスターなど様々な業務を経験。防災講演の講師を務めるなど防災や健康気象のスペシャリストとしても幅広く活動中。

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