11月の天候の特徴~木枯らし・時雨・小春日和~
11月の天候にはどのような特徴があるのでしょうか?
気象予報士が詳しく解説していきます。
寒さの訪れを示す木枯らし
11月は日本付近に接近する低気圧の上空に強い寒気が流れ込むことが多くみられます。この上空の強い寒気の影響によって低気圧は急速に発達しながら日本付近を通過し、日本の東海上に進んで更に発達します。
また、日本の東海上で低気圧が発達した際に、大陸にも寒気が流れ込むと大陸で高気圧の勢力が強まるため東海上の低気圧と大陸の高気圧の気圧差が大きく、日本付近は等圧線の間隔が狭まった強い冬型の気圧配置の状態となり、北よりの風が強く吹きます。
この北よりの強風を木枯らしと呼び、寒気が流れ込みやすい年は何回も木枯らしが現れます。
日本海側で現れる時雨(しぐれ)
日本付近が冬型の気圧配置になっている状態は、日本の上空に寒気が流れ込んでいることを示しています。流れ込んだ寒気によって日本海で発生した雲が発達し、北西の風に流されて日本海沿岸に接近します。日本海沿岸に接近すると、一時的に雨が降ったり止んだりするようになります。
この雨を時雨と呼び、日本海側で11月に多くみられます。なお、季節が進み気温が下がると、雨から雪に変わります。
寒さの前の小春日和(こはるびより)
冬型の気圧配置をもたらした強い寒気が日本の東方海上に進んで寒気が弱まると日本付近の等圧線の間隔が広がるようになり、この状態を冬型の気圧配置がゆるむともいいます。また、このあとに大陸の高気圧が移動性高気圧となって東に進み日本付近を覆うことがあります。
高気圧にゆるやかに覆われると冬型の気圧配置の時の寒さが一転して春のような暖かく穏やかな晴天になることから、小春日和と呼ばれます。
寒気の流入が強まったり、次々と寒気が流れ込むようになると冬型の気圧配置が続き、小春日和は現れなくなり、季節は冬へ向かいます。
【執筆者】
お天気.com 気象予報士