7月の天候の特徴~梅雨末期の大雨・梅雨明け~
7月の天候にはどのような特徴があるのでしょうか?
気象予報士が詳しく解説していきます。
梅雨末期の大雨
7月は梅雨の後半で、日本の南東海上の太平洋高気圧の勢力が次第に強まり、北へ勢力を強めるようになります。この太平洋高気圧の左側(西側)の縁辺部に沿って、南から暖かく湿った空気が日本付近に大量に流れ込みやすくなります。
この暖かく湿った空気の影響で梅雨前線が刺激されて活動が活発になり、梅雨前線付近では発達した積乱雲が発生して大雨を降らせます。
梅雨前線があまり動かないと同じ所で次々と積乱雲して大雨を降らせるため集中豪雨と呼ばれる大雨が降り、毎年のように各地に被害をもたらしますので、十分な注意が必要です。近年は線状降水帯とも呼ばれ、大雨による危険災害の目安となっています。
梅雨明けのタイプ
梅雨明けには2つのタイプがあります。
梅雨明けの多くは、太平洋高気圧の勢力が次第に強まり、本州の南に停滞している梅雨前線が北に押し上げられて、梅雨前線の活動が次第に弱まって梅雨前線が消滅するタイプです。
梅雨明けのタイプのもう一つは、太平洋高気圧の勢力が弱く、代わって北側のオホーツク付近の高気圧の勢力が強まって日本付近を覆い、梅雨前線が本州の南海上に離れて梅雨前線の活動が次第に弱まって梅雨前線が消滅するタイプです。梅雨前線が南海上に離れて梅雨明けする場合は東からの比較的冷たい空気が流れ込むため、北日本や東日本では梅雨明け後しばらく涼しくなります。
梅雨明け十日
太平洋高気圧の勢力が強まって梅雨明けした場合に「梅雨明け十日」と呼ばれる天気のことわざがあります。
梅雨明けしてから10日間くらいは安定した晴天が続くという意味で、勢力が強まった太平洋高気圧に覆われて夏らしい天気が続きます。
【執筆者】
お天気.com 気象予報士