雪起こし(雪おこし・ゆきおこし)とは?冬の雷の原因・時期・仕組みをやさしく解説

雪起こし(雪おこし・ゆきおこし)とは、冬に雪が降る直前や降り始めに鳴る雷のことです。特に日本海側の地域では、冬の季節風が強まるタイミングでよく発生する現象として知られています。
日本海側の冬は、シベリアから流れ込む冷たく乾いた「大陸の寒気」が、日本海の暖かい海面から立ち上がる水蒸気とぶつかることで特徴的な気象現象が多く生まれます。寒気が海上を渡る過程で多量の水蒸気を取り込み、これが日本列島の山脈に衝突すると、急速に積乱雲(雷雲)が発達します。この雲は夏の積乱雲とは異なり、雪を伴う雷(冬の雷) を発生させることが多く、地域住民の間では古くから「雪起こし」と呼ばれてきました。
雪起こしの雷は、発達した雲の内部で電気が一気に放出されることで発生しますが、突然鳴りやすく、長続きしない のが特徴です。この性質から「一発雷」と呼ばれることもあります。雷鳴が響いた後は本格的な雪に移行することが多く、漁業関係者や雪国の住民にとっては、冬の天候悪化のサインとして重要視されています。
また、冬の雷は夏の雷に比べて落雷強度が非常に強いケースもあり、送電線や設備への影響が話題となることがあります。雪が降る前の雷を聞いたら、「これから雪が本格化する前触れ」と捉えるとよいでしょう。



