エルニーニョ現象、ラニーニャ現象とは?日本への影響や違いをわかりやすく解説
エルニーニョ現象、ラニーニャ現象とは?日本への影響や違いをわかりやすく解説
エルニーニョとは?エルニーニョ現象の原因と仕組み
エルニーニョ現象とは、南米ペルー沖の太平洋赤道域において、通常よりも海面水温が高くなる現象のことです。この状態が数カ月から1年程度続くことが特徴で、数年に一度の頻度で発生します。
本来、ペルー沖は冷たい海水が湧き上がる「湧昇流」によって冷水域を保っていますが、貿易風が弱まることで暖かい海水が東に移動し、エルニーニョの原因となる海水温の上昇が発生します。
ラニーニャ現象とは?エルニーニョとの違い
ラニーニャ現象とは、エルニーニョとは逆に、東太平洋の海面水温が平年より低くなる現象です。貿易風が強まることで暖かい海水が西に押し流され、冷たい水が表面に現れることが原因とされています。
このように、エルニーニョとラニーニャの違いは、海面水温の上昇か下降か、という点にあります。
エルニーニョとラニーニャの違いまとめ
現象 | 海面水温の状態 | 原因 |
---|---|---|
エルニーニョ現象 | 平年より高い | 貿易風が弱まる |
ラニーニャ現象 | 平年より低い | 貿易風が強まる |
語源:エルニーニョ、ラニーニャの由来とは
エルニーニョ(El Niño)はスペイン語で「男の子」を意味し、キリストの誕生にちなみ「聖なる子(幼子イエス・キリスト)」を指します。ペルーの漁師が、クリスマスの時期に現れる暖流をこう呼んだのが始まりです。
ラニーニャ(La Niña)は「女の子」を意味し、エルニーニョの対として命名されました。「アンチ・エルニーニョ」という表現もありますが、現在では「ラニーニャ」の名が一般的です。
エルニーニョ現象・ラニーニャ現象が日本に与える影響とは?
一見すると日本とは無関係に思えるこれらの海洋現象ですが、実際にはエルニーニョ現象やラニーニャ現象は日本の天気や気温に大きな影響を与えることが分かっています。
エルニーニョ現象が日本に与える影響
- 夏:太平洋高気圧の張り出しが弱まり、冷夏(気温が低く、日照が少ない)になる傾向
- 冬:西高東低の冬型気圧配置が弱まり、暖冬(気温が高め)になる傾向
ラニーニャ現象が日本に与える影響
- 夏:太平洋高気圧が強まり、暑夏(猛暑)になりやすい
- 冬:冬型の気圧配置が強まり、寒冬(寒さが厳しい)になりやすい
日本への影響まとめ
現象 | 夏の影響 | 冬の影響 |
---|---|---|
エルニーニョ現象 | 冷夏 | 暖冬 |
ラニーニャ現象 | 暑夏 | 寒冬 |
まとめ:エルニーニョとは何か、ラニーニャとの違いを理解して天候を予測しよう
エルニーニョとは、赤道太平洋の海水温が上昇する現象で、気候に大きな影響を与えます。エルニーニョが発生した際には必ず冷夏や暖冬になるという事はありませんが、エルニーニョとラニーニャの違いや、日本への影響を理解することで、備えておく事もできそうです。