春バテの原因と対処法
「春バテ」とは春に現れる体の不調で、だるさ・気分の落ち込み・疲労感・イライラ・倦怠感などがあります。この春バテの症状は自律神経が乱れることで現れやすくなります。
春バテを引き起こす原因
春バテの症状を引き起こす原因には下記が上げられます。
・寒暖差や気圧変化
・生活の変化によるストレス
・ホルモンバランスの乱れ
自律神経には交感神経と副交感神経があり、寒暖差や気圧変化、ストレスを受けると交感神経が優位となり、さまざまな不調が起こりやすくなります。
春バテの対処法
春バテを起こしにくくするには体への負担をなるべく小さくし、自律神経を整える行動を取ることが大切です。
・気温変化の確認と対応
気温の予報を確認して、外出する場合は気温に合わせて脱いだり着たりしやすい服装を選び、体への影響を小さくするようにしましょう。屋内であればエアコンなどを利用して室内の温度をできるだけ一定に保つようにしましょう。
・自律神経を整える
交感神経の働きを抑え、副交感神経が優位になるように自律神経を整えることでスト レスをコントロールすることが春バテの改善につながります。自律神経を整える手段にはいくつかあります。
①十分な睡眠
心身の疲れの回復やストレスを翌日に持ち越さないようにするためには、十分な睡眠が不可欠です。十分な睡眠は睡眠時間よりも眠りの深さが重要で、起きたことの爽快感からぐっすり眠れたかどうかが判断できます。
長時間寝ても目覚めが悪ければ、眠りの質としては不十分ということもあります。
ストレスの多い生活をしていると、夜になっても昼間の緊張感や興奮状態が続き、寝付きが悪いことや眠りが浅いことなどで、すっきり目覚めることができなくなります。
睡眠不足は頭痛の要因となっていますが、さまざまな健康障害につながります。
ストレスに耐えるために欠かせないホルモンは朝に最も多く分泌され、夜にかけて少なくなりますので、夜遅くまで起きていることがストレスに弱い体を作り出していることになります。
また、ぐっすり眠れないことにより、疲労回復を促すホルモンが十分に分泌されなくなり、翌日も疲労感を感じるようになります。
眠りにつく時間が不規則になっていると生活のリズムを乱し、睡眠にも影響しますのでなるべく毎日同じ時刻に寝るようにするのが大切です。
②ゆっくりと入浴
入浴は優れた心の疲労回復剤でもあり、次のような効果があります。
・皮膚を清潔にする
・血行をよくして新陳代謝を活発にする
・筋肉のこりや痛みを和らげる
・神経の緊張をほぐしてリラックスさせる
入浴は就寝前に38~40℃のぬるめの湯にゆっくりと浸かれば快適な睡眠も期待できま す。
③音楽
音楽には心を鎮めストレスを軽減する効果があり、音楽で心を治療する音楽療法というのもあります。
音楽療法とは脳波の動きを考慮して音楽の波動で脳波の波動を変化させ、気分を変えてリラックスできるようにするものです。
スローテンポな曲は脳波に作用してリラックスさせるのに適しています。最も推奨されているのは「クラシック音楽」ですが、自分の好みの曲を聴いて気分が良くなったり、カラオケで大声で歌って気分転換するのも良いようです。
④腹式呼吸
心の状態は呼吸の仕方に反映され、心身が緊張状態にあると呼吸は浅く短くなります。この原理を利用して、深くゆったりした腹式呼吸を繰り返すことで、以下のような効果があります。
・副交感神経の働きが高まってリラックスすることができ、自律神経のバランスを整える効果がある
・脳内で気持ちを落ち着かせるホルモンの分泌を促す効果がある
・副交感神経が働くことで、リンパ球が活性化されて免疫力が高まる効果がある
⑤食生活
欠食や暴飲暴食、偏食は余計にストレスをかけてしまいます。また、空腹は頭痛の要因となっています。ストレスを和らげる食生活には以下のようなポイントがあります。
・1日3食を規則正しい食習慣を行う
・朝食はできるだけ決まった時間に取る
・夕食は就寝2時間前には済ませる
・よく噛んで食べる
・会話を楽しみながら食べる
・ビタミンとミネラルを積極的に取る
・暴飲暴食をしない
⑥運動
体を動かすことで全身の血液循環が良くなり、脳内の血液の流れも良くなります。運動は頭をすっきりさせて良い気分転換になり、情緒の安定に大きな効果があります。また、運動は生活習慣病の予防にも効果があります。
適度な運動は心身ともに健康でいるために必要不可欠です。散歩やサイクリングなど軽く汗を流すことを生活の一部にすると長続きできます。
毎日ではなくてもなるべく体を動かすことが健康管理につながりますので、体を動かすことを心がけてください。
【参考文献】
日本医協学院 健康管理士テキスト 心の健康管理
【執筆者】
お天気.com 気象予報士