寒暖差による頭痛などの体調不良とその対策
寒暖差が及ぼす体への影響
暖かい部屋から冷え込んだ外に出ると体は急激な気温の低下を受けます。寒さを感じると体の熱が逃げないようにコントロールしている自律神経の交感神経が盛んに活動を始めます。常に寒暖差の激しい環境に身を置いていると、交感神経がこの環境に適応しようと反応するため、自律神経が疲弊し、自律神経の乱れにつながり、頭痛などの体調不良を起こしやすくなります。前日より気温差が5℃以上あると体に影響が出やすくなり、症状も引き起こされやすくなると言われています。
自宅やオフィスの室内と室外の気温差が大きい場合や電車やバスの車内と外との気温差の大きい環境を行き来すると、自律神経が疲弊して自律神経に乱れが生じ、頭痛などの体調不良が起こりやすくなります。この状態は寒暖差疲労と呼ばれています。
寒暖差疲労を溜めないための対策
寒暖差疲労が起きないようにするためにはいくつかのポイントがあります。
・生活習慣を整える
自律神経の乱れを起こさないためには規則正しい生活が必要で、3食ともバランスのとれた食事を摂取することが重要です。また、なるべく冷たいものは避け、温かいものを食べるようにしましょう。豚肉や大豆などのビタミンB1が含まれる食材は疲労回復に効果的です。
また、睡眠不足の状態では自律神経が整えられないため、睡眠を十分とるようにしてください。
・軽い運動
ストレッチや散歩などの軽い運動で、体を動かすようにしましょう。体を動かすことで睡眠の質を上げたり、血行を良くして胃腸の働きを改善させる効果や血液の循環を良くするため寒暖差疲労を改善する効果が期待できます。
・体を温める
体を温めるのに最も効果的なのが入浴です。入浴は自律神経を整える効果や睡眠障害の改善にもつながると考えられています。また、外出する際は手首・足首・首を保温することで体を温める効果が得られるといわれています。
【参考文献】
成人病予報対策研究会 ほすぴ 気象と健康~秋の健康~
健康のいずみ 第537号(2018年9月5日)
【執筆者】
お天気.com 気象予報士