真冬に注意が必要な心筋梗塞
気象と心筋梗塞
心筋梗塞は12月から3月に発生することが多い傾向があり、冬の急激な温度差による血圧の上昇と血管の収縮が大きく関係しています。
暖房の効いた暖かい部屋から寒い屋外や暖房のない部屋に移動したり、暖かい浴室から寒い脱衣所に移動すると、皮膚の表面温度が急激に低下するため、皮膚内に多く集まっている末梢血管が収縮し、体温が低下しすぎないように調節します。
また、血管が収縮して皮膚表面の血流が少なくなった分だけ、体の中心部を流れる血流が増加します。この血流が増加した際に心臓の冠状動脈に動脈硬化の進んでいる部分があると急激に増加した血液が冠状動脈を通過できず発作が起こります。
ヒートショック
急激な温度差により急激に血圧が変動して心臓や血管に一時的に大きな負荷をもたらす急性の循環器疾患をヒートショックと呼び、失神や心筋梗塞を引き起こします。
ヒートショックを起因とした死亡者数は年間で1万人を超えており、十分な注意が必要です。
冬の心筋梗塞を防ぐ方法
外出時
外出する際は防寒対策をすることで冷たくなった血液による血管の収縮を防止することができます。
入浴時
入浴する際に下記の対策をすることで血圧の上昇と血管の収縮の防止につながります。
・入浴する際は脱衣場と浴室内を暖かくする
・入浴前にアルコールは飲まない
・入浴時間は短めにする
・入浴後にコップ1杯の水分を補給する
【参考文献】
成人病予報対策研究会 ほすぴ 気象と健康~冬の健康~
【執筆者】
お天気.com 気象予報士